鎌倉市「政策創造担当」のレポートをまず見てみましょう

僕も最近知ったのですが、鎌倉市には、政策創造担当という部署があります。

 

鎌倉市政策創造担当運営要項」によると

政策創造担当は、次に掲げる事項について、調査研究を行うものとする。

あ 鎌倉市の現状分析について

い 鎌倉市の長期的展望について

う 新たな市政の取組について

 

とあります。

調査には共同研究やプロジェクトもあって、非常に面白いことをやっているので、そのいくつかを紹介します。

 

①長寿まちづくりについての共同研究プロジェクト

横国LIXIL、今泉台町内会と組んで郊外型分譲地再生モデルについて計画・実行しているプロジェクト

 

②「鎌倉ウェディング」事業化検討プロジェクト

・鎌倉のパブリックスペース、海山や市の保有する旧華頂宮等、歴史的建造物の規制緩和によりウェディング事業を成立させ、鎌倉の魅力、地域産業(会場、食材、引き出物)を活性化する 

 

⑤クリエイティブ産業研究プロジェクト

・IT産業を核とした産業の誘致育成の可能性についての研究

 

その他、将来ビジョン研究プロジェクト、観光・経済研究プロジェクトなど。

 

役所は、従来縦割り組織なのでイノベーションが起こりようがないわけですが、これはクロスファンクションチームのプロジェクトで、その中枢になるどこにも属さない横断的機能が「政策創造担当」ということのようです。

 

レポートは、このように一般に広く公開されています。

http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/seisaku-souzou/gyoumuhoukoku25.html#sousoujuku

 

第1に、このような素晴らしいR&D機能が市にあるということが驚きでした。

第2に、せっかく部署までつくって人員の工数をこれだけかけているレポートのエグジットが全然設計されていないことがとてももったいないなと思いました。

 

エグジットといってもそんな難しいことではなくて、まずこんなに深いところにレポートがあっても、おそらくだれも見ないでしょう、という。。。

 

市の中でもいろいろ派閥があるようで、こういった市長肝いりの新しい取り組みというのは叩かれやすいようです。こんな研究意味あるのか?なんていう保守派の市議もまあいることは容易に想像できますよね。松尾市長潰しには新しいものやらせて、成果を出させないことが一番簡単な戦い方ですからね。

 

まさに絵に描いたような、国の機関のしがらみというやつで。聞かなくても状況は容易に想像つきます。これは、なんとかしてなんとか活かせないかと思い、まずはこの弱小ブログに載っけさせていただきました、笑

 

これから、鎌倉で起業する人、NPO、大学機関にしっかり読んで頭に入れておいて欲しい内容です。

 

上記の人たちの一部には、「市は何もしてくれない」というのが決まり文句&固定観念があるようですが、まずこういった現状分析や新しい取り組り組みをやっていることをもっともっと知って情報とコネクションをつくって事業に活かすべきですよね。

 

起業家にとっては、市の課題分析や市場分析をしてくれているのですから、事業計画立てる上で結構いい材料になるはずですし、NPOや大学など行政に近い立場の方々も当然知って連携を強めるよう働きかけるべきですね。

 

自治会理事の皆様からは、①縦割り&たらい回し文化、②新しい取組に対する受容性のなさ、③NPOや企業任せな体質などに対する批判の声がでていました。

 

①、②については、僕の理解では市も一生懸命やろうとしています。課題認識に対してこのような組織をつくったんですね。ただ、市政には大きなしがらみの存在がある。残念なことに、新しい取組は市議会で保守派の批判にあい、ちっとも進まない。悲しいかなそれが現実でしょう。

 

③について、僕は違う見解をもっています。市がやるべきは、中立性・客観性をもった市場環境の分析と将来シミュレーション、事業活性化につながる規制緩和であって、新しいチャレンジ自体は、民間が主導しないと絶対うまくいかないと思うんです。

 

市の役割としてはやはり公平性を担保しなければいけませんから、例外はなかなか認めがたい、リスクも取れない。それは、民間がやるしかないですよね。リスクをとって事業性を確立して実績が示す。その上で市を巻き込む。昨今の地域活性化の成功事例の多くはこういうプロセスになっています。

 

世界では悲惨な対立や戦争が起きていますが、こんな平和な日本で豊かな鎌倉ですから、市と民間に対立構造をつくるのではなく、異なる立場を認めた上で協業できる道を歩んでいくべきですよね。

 

市の中にも、今回こんなに面白いことをやっている方がいたことにワクワクしました。

同世代の方もいるので、同じ価値観を共有できる。定期的に意見交換をしつつ、よいコラボレーションをして、いろんなことにチャレンジしていきたいという思いをまた強くしました。

 

 

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